YK-akadoの『不』日記

元劇団女優・まだ細々俳優鬱治療中の旦那の両親と同居で頑張る2児の母・剣道に息子と通う有段者で役員、その息子は不登校児に・長年勤務の パート主婦 、色んな立場で感じた事やぼやきを書き綴り、最愛の子ども達に何か残ればいいな。

“お姉ちゃん“という生き物

私もお姉ちゃんですが、長女も“お姉ちゃん“。

長男の卒業式で、お友達の親御さん達とお話しして思ったことが。

我が家は、長男が産まれる前から、お腹にいる時から長女は『お姉ちゃん』と自分でも意識、お姉ちゃんになりたかった長女。

弟ができ、自ら「お姉ちゃんだよ」と覚えさせ、長男の初めての言葉も、まんま、とかじゃない「ねーね」


長女の親友ちゃん所は、お姉ちゃんとは呼ばない。お互い名前の呼び捨てだ。
やっぱり、ご近所で上も下も同級生の家もお姉ちゃんとは呼ばない。下はお姉ちゃんのことを愛称で呼び、上は名前で呼び捨てだ。
気が付くと、回りに我が家のように、お姉ちゃんを「お姉ちゃん」って呼んでいるご家庭がないに等しい。

親友ちゃんのお宅はお母さんが保母さんで教育熱心。勉強だけではなく、スポーツや、家事手伝いもしっかり。でも強制的にではなく、上手に自主性も重んじている印象だ。
親友ちゃんからすると、お母さんはガミガミうるさいそうだが、よく考えて言葉を発する思慮深く礼儀正しい方だと思う。まぁ、普通お母さんはガミガミ言うものかも。ご本人も「ついつい、心配であれこれ言っちゃう」と以前におっしゃっていた。
卒業式でそこのお父さんが、もうちょっと弟を可愛がってやればいいのに、うちの姉弟と全然違うと思っているそうで。姉弟で遊びに来たりバーベキューも一緒に来てる時は全然そんな様子はないって伝えると、「あいつはネコかぶるからね、家ではRはひどい扱いで鍛えられてる、Mに何を言っても無駄だ、って諦めてる」
あんまり想像がつかない。

もう一つの姉弟の所もよく仲の悪い様子を聞いた。子供会のバス旅行もケンカになるだけだから隣の席はさけたい、我が家と入れ替わって姉姉、弟弟、の並びで行ったこともある。


子供の頃はその方が良いのだろうか。
“お姉ちゃん“と呼ばずに、年齢の上も下も関係なく、一個人として名前で呼び合い、育った方が正解だったのかな。
いつまでも、できない事が多く他者に頼る甘えん坊のうちの不登校長男を見ていると、自分の子育ては間違っていたのかな、と思えてきた。

勿論、うちの姉弟もしょっちゅうケンカするが、基本的にお互い大好きな感情が見えていて、他のご家庭のように取っ組み合いでケガするようなケンカは全くない。


お父さんのつけた名前を強制却下して弟の名前をつけたのもお姉ちゃん、離乳食をアーンと食べさせたし、遊びも一緒、お姉ちゃんの後をついてまわっていた。
親友ちゃん所のお母さんが長女達が小学校の時「いつまで経っても家にお友達を呼ぶこともしないし、誰かのお家に遊びに行くとも言わなくて、この子友達いないんじゃないかってすごく心配した」と言っていた。うちの長女と仲良しになってからお互いの家を行き来するようになってホッとしたらしい。
うちの長女は最初のうち何人か遊びに来ていたり誰かの家に行くこともあったが、そのうちめんどくさくなったらしい。家に帰れば遊び相手(弟)がいるので、別に学校終わってまで友達と遊ぼうとは思わないからだ。そこが親友ちゃん所と一緒だった。


弟にとっても遊んでくれるのはお姉ちゃん。
世話をやいてくれるのもお姉ちゃん。
保育園や学校の困ったことを相談できるのもお姉ちゃん。
お父さんやお母さんにどう話そうか迷うようなことを相談するのもお姉ちゃん。
旅先、出先で母が手一杯のタイミングなどで弟の面倒をしっかり見て、頼りになるのもお姉ちゃん。


私も、一番上、下は8歳も離れた双子だ。弟と妹。二卵性双生児。8歳も違い、母親は手一杯で身体も弱かったし、妹は小児喘息で入退院を繰り返していたから、頼りは私、お姉ちゃん。何かしでかして怒られて怖いのは私、お姉ちゃん。母親の叱り方「お姉ちゃんに言うよ❗️」
「お姉ちゃんには言わないで~」
長男である弟が、大人になっても親の葬式や祭事などでの決め事も「姉ちゃんに聞いてから」「姉ちゃんに聞いてみる」
『お姉ちゃん』と家族全員に呼ばれて育ったし、親戚も、なんなら劇団時代の一部の人にも呼ばれていた。
だから、長女も“お姉ちゃん“で育った。でも家族で『お姉ちゃん』と呼ぶのは弟と、時々、私。



ディズニー、アナと雪の女王の関係者の言葉が今も頭に残っている。映画、物語を考えるに当たってスタッフや関係者にアンケートを取ったそうで、その結果「下の子からすると姉というものは、魔法使い、魔法が使える存在だと思っているようだ」という結果が出て、あのエルサが誕生したらしい。

お姉ちゃんは魔法使い的存在なのか。


長女からLINEで「卒業式当日に見せてやって、動画作ったから」と送られて来た。
不登校長男、数日前から緊張感で様子が変。
「お姉ちゃん、緊張するよー不安だー」とよく叫んでいた。

式当日朝、長女は先に学校へ出かけ、長男に「お姉ちゃんから頼まれた、動画作ったんだって」とスマホ画面を見せ再生。
以前二人で撮ったツーショット写真に、色んな面白い被り物をさせながら、いくつものメッセージと音楽が流れる。「K、卒業おめでとう」「学校しんどいなら行かなくていいよ、お姉ちゃんが勉強教えてあげる」「Kが楽しいのが一番」
「なんならYouTubeでも始める?笑。お姉ちゃんが頑張って編集しようか?」
「何かやりたいこと見つけたら教えてね、協力するから」「世界一優しいお姉ちゃんがついてるよ」


緊張でおかしくなりそうだった長男の目は赤くなりウルウル。母もウルウル。

一生懸命緊張をはね除けようと頑張って家を出て、卒業式に出席でき、しかも楽しんだ長男。
弟が楽しいのが一番。
やっぱり、お姉ちゃんは魔法使い?


お姉ちゃんをお姉ちゃんとして育てたのが良いのか悪いのか、分からないけど手遅れだ。
弟が可愛くて仕方のない長女。
お姉ちゃんが大好きな、ヘビーシスコン長男。
今後、そんな姉弟は、そんな姉弟だからこその苦難も来るのだろう。
お姉ちゃんになんもかんも頼ることなく、お姉ちゃんも弟の世話をやきすぎず、
順番通りに親が先に他界し、大人になっても、いざと言う時はお互いを頼りに、それぞれの道をしっかり歩んで欲しいな。


私の弟のように、自分の事がしっかりできるようになって、自分の家庭を持って父となり、逆にお姉ちゃんを支える存在になれ、息子よ。

でも弟にとっては“お姉ちゃん“という生き物はいくつになっても魔法使いなのかも。

ずっと仲良しでね。

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