フルタイム就職はもう叶わないと諦めた。
派遣としての採用はあるのだろうが、また期間満了で次の仕事、またその次の新しい業務内容を覚え直すのもしんどい。
そしてもう履歴書、職務経歴書、書くのが嫌になったし、8枚セットの証明写真がラスト。
今月誕生日を迎え、五十代も最後となる。
60を超えてしまえば、かえって募集が増える、でもそれまで待てない、社会保健を途切れさせたくなかったけど、叶わず、仕方なく今は国民健康保険、パートでも社会保健に入れるなら良しとしなくちゃ、働かねば!
すぐ近くの、障害者就労継続支援A型の小さな施設で軽作業の仕事をしている。
正社員の募集は9時から5時半まで勤務だったので、パートの4時まででも「勤務時間応相談」とあったから9時5時とかのフルタイムパートにしてもらえるかも、と思って応募し、面接時に伝えた。
叶わなかった。
ちなみに、4時までの勤務も叶わなかった。
社会保健にも入れてもらえなかった。
その場所での利用者さんの作業は3時まで、車で駅まで送ったり、出来上がった物を載せて業者さんに納品に行くことが出来そうなら、
あるいは、
車で10分ほど離れた場所にも別施設があって、そちらに利用者さんと朝一緒に車に乗って行き、そっちでの作業をしてまた夕方戻ってくるということが出来そうなら、4時まで仕事はありそうだけど、ここでの仕事は、
3時で利用者さんが帰ってから、片付けや掃除で3時半で仕事はほぼ終わってしまう
車の運転に自信がないようだし、年齢的にも、最初から社会保健に入ってもらえます、というのは難しいので、一旦国民健康保険のままで、3時半までのパートで身体も慣れてもらって、様子見ってことでどうですか?
その条件でオッケーなら、いつ来てもらってもいいです。
とのことで、面接後、ハローワークの個人担当さんに電話した。
個人担当さんもそれを聞いて、「え~、そういうことー、4時までじゃないの。株式会社なんだから社会保健入れてよ~、じゃあいっそのこと週20時間程度の出勤にして貰って失業保険をそのまま受給中にします?」と。
なんだかモヤモヤしていたが、『一旦』の言葉もあるので、試用期間2ヶ月後にはひょっとしたら4時まで勤務で社会保健、厚生年金にしてもらえる?働き次第ってことか?
もう応募先を探すのも履歴書書くのも嫌になっていて、「まぁ、試用期間後も見据えてここにして、足りない収入は、このままタイミーのバイトを入れようかなと思います」とハローワーク担当さんに伝えた。
「お近くで通勤に時間を取られないことを思えば良いかもしれませんね、でも、ほんとに人を乗せての運転に自信がないのなら、ずっと大きな車の運転できませんって断っていた方がいいと思います。お互いに様子見で、もし、ここじゃない、って思われたら、早目の再度転職をお勧めします。あなたにとって、良き就業先であることをお祈りしております。また困ったことがあればいつでもご連絡くださいね」
と言ってくれて、これまでのお礼を伝え、サヨナラした。
7月1日より出勤している。
祝日は休みではない。
土曜日も出勤がある月ある。
昼ごはん休憩50分は、チャリっと3分で自宅で息子と食べている。
この就業先の何がいいかって、これがいい。
息子の精神安定にもなっている。
昼間に午後からの学校の予定や出かけなくてはいけない時間などの確認が私とできるから。
そして、私は、着ていく服や靴に気を遣うことなく、普段通りなのがむちゃくちゃ楽、ノーメイク、ヘアカラー落ちまくりの白髪で行っている。
軽作業の職業指導員って立場だけど、軽作業を一緒にするというか流れをつかんで、こっちの人にこれ、あっちの人に新たにこの作業をお願いする、とか、段取り組が重要な役割で、まだ顔と名前も一致しない上に、人によって出来ないこと任せられない内容など違っているのでまだまださっぱりだ。3日目に、機嫌を損ねて、暴言呟かれた利用者さんに「慣れてなくてごめんなさいね~」と謝る場面も。(3日目にして上手くできるるわけなし)
そして、ちょっとは座る作業もあるかと思いきや、ずっと立ち仕事、あるいは動きっぱなし。
二週間が経過した今日、腰と足がヤバい。
トラックからの荷下ろしや積込もあった。
会社としても、儲かる仕事ではないのだから、60手前のおばさんがこなしていけるのか、やっていけるのか、役に立つのか、よく見ないと、ってところだと思う。
社長も、その補佐的存在の生活指導員の責任者も私と同年代か少し下の女性だ。
テキパキとキリモリして、自らも積極的に作業に加わり社員さんに指示を出す。
そして、利用者さんが帰り、片付けや掃除、納品の段取り中に、暑いからと皆にアイスを配ったり甘いお菓子をスタッフに配る。
そして、頂き物の野菜や果物を私も含めたパート主婦さんに持ち帰りように分けて置いてくれる。
これまで、スイカやトウモロコシ、トマトなど貰って帰った。
手当てや福利厚生などは大手会社勤めとは雲泥の差だけど、家庭的な職場ではある。スタッフの成り手、人手確保はとても難しいだろうから大事にしなきゃという想いは伝わる。
連日、色んな請求書が届く。
その度に胸が苦しくなる。
これまでよりも収入を上げるつもりでいた私にとって、良き就業先だったかはまだまだ分からない。モヤモヤするけど、でも目の前のやるべきことを堅実にやって行くしかないと自分に言い聞かせている。
新しい仕事を始める少し前から、長男の数学レポートの提出に二人で悩んで苦しんだ。
夜眠れなくて、授業動画を観たり、教科書を何度も読み返し、ノートに書き写して、夜中リビングでひっそり問題を解いてみたりした。
長男に解説できるように添え書きしたり。
提出期限まで約一週間を残して、とりあえずすべて提出出来た。
とりあえずだ。
最後の、サイン、コサイン、タンジェントの問題……これでいいのか、悪いのか、間違ってるかもしれないね、と長男と二人で全く理解出来なかった問題があったが、とりあえず書いた。
長男も「あーもういいや、間違ってるかもしれんけど俺まったく分からん、俺には理解できん、もう提出!」
ポチっとタブレットの提出ボタンを押したらしい。
普段は、『ちゃんとやらなきゃ』の気持ちが大きく、ちゃんと出来ない自分が嫌で嫌で仕方なく、泣きながら自分を叩いたり痛めつけたりする。『適当に』が難しいヤツ。
60点未満だと再提出。
そうなったらなったでいいやん、期限までに全部埋めて出すことがまず大事や!と言ってやった。
『適当に』が少しできるようになってきている。
ゆるゆるでいいよ息子よ!