テレビってなかなか観れない。
これまで自身のくつろぐ生活範囲にテレビがなかったのもありますが、そもそも観る時間がほとんどなく、観たかった映画を撮っておいて休みの日に何とか鑑賞できるかどうか、というペース。
それが、一階にしかなかったテレビが2階の自分たちのリビングに来て、少しだけ観れるようになったが、私にチャンネル権はない。あまり欲しいとも思わないが。
他の家族が観ているものを何かをしながら飛び飛びで観るのが常。
だから世間話にうとい。
でも去年、アニメの鬼滅は追い付いたよ。
そして
実は、珍しく大河ドラマを録画して観ている。
2階テレビでは裏番組を常に録画しているため、1階の台所のテレビで。でもなかなか追い付かない。下でゆっくり観られる機会が来ない。
袖すり合うも………なんとやら、ほんとに衣装の袖が触れないほどの遠~い縁の方々が出演されているから観たいなと思った。
そして、最後の将軍、徳川慶喜に興味があり、それをK君が演るからだ。
んー、有名人でも名前ってそのままブログに載せるのに抵抗が………いやもうバレバレどころな話じゃないんですが。
やっぱりイニシャルトークで。
K君がまだグループにいて、しかもグループ自体もさほど有名って訳じゃない頃、すっごい若かりし頃、地元のテレビドラマに出演し、普段全く誰も誉めない共演の大御所が、まともな芝居してたとの言葉を言わしめた子、そのドラマのエキストラの一人として私は遠~くから拝見。
ファンってことではないんだけど、それ以来、ちょいちょい見かけるドラマなど、アイドルだけど演技には一目おいていた唯一の人。歌より芝居向きだよ、アイドル辞めても役者で生きていけるよ、とずっと思ってた。
大きな賞、授賞おめでとうございます。
相変わらずなニュートラルな俳優ぶり、主役を食わない、食わせない、そんな立ち位置に居ようって雰囲気が感じられます。
そして、私の田舎の方、地元の役者さんも出てるんです。
高校の同級生のお兄ちゃん、Wさん。
下積み長かったですよね、すっかり有名人で主要な脇役、任せて安心、そんな地位を確立されておられます。何か含みのある時の笑み、上手いなぁ。
見た目には、ちょっと、まぁるくなられたかな。貫禄が出てこられました。
地元で頭良い子が行く県立J高校出身のHさん。
県立Jに行けるほどではない子が私の出身県立高校に行くっていうのが、その頃地元の定番。
J校は文武両道、運動部も強いところが多く、うちの高校は何かとライバル意識が高かった。
剣道部も強かった。うちの剣道部女子、人数足りないし、弱小でしたから、ライバルには到底およびません。
あ、横道にそれました。
Hさん、貴重なこの年代のバイブレーヤー。
叱咤、文句を言う芝居、憎めない、コミカルな悲哀、中間管理職が最高に似合う方。
失礼かな。でもそんなポジションの役の時が好きです。
お二人は堅実な安心感。
それに、お二人とも黒羽織りにかつらの出立ちがなんとも、しっくりなお姿。
しかもしかも、役柄でつながってる!
地元つながり?嬉しい。
舞台出身でどう転んでも正解だと思われるこのような俳優さんがいるから物語が絞まる。
地元の誇りです。
主役も真っ直ぐ、純な、くったくない笑顔と演技。
いつものドラマを観る時の意地悪な目。
そんな目で私が観ても、知らずのうちに気持ちもゆるゆるして、ただのおばさんになっている自分がいる。
父のKさんには何も言うことがないのは当たり前だが、Kさんが父役でほんとーうに良かったねと主役のY君に言いたいところだ。
演技においても、どんなセリフも受け止めてくれそうで、そして役から外れても、昔と変わらず、気さくなおじさまで、大御所感オーラを出さずに楽しい現場になっている気がする。
今でも、私の宝物。
某Nテレビ局の早朝の、狭い衣裳部屋。
衣裳さんに自分の衣装をもらいに来ていた私。
突然、パンツいっちょうのKさんが飛び込んで来る。
「うぁー、ごめんね、こんな格好のまま来ちゃった」
衣裳さんは男性。すぐ向かいのご自分の楽屋から、女子(私もその頃はまだ二十代だったかと思う)がいるとは思わず入って来られたかと思います。
超有名人、大御所俳優さんがすぐ目の前で、しかもパンツいっちょう。ごめんねーと言いながら、いたずら小僧の面持ちの照れくさそうな笑顔。有名人のオーラなし。(大変失礼)普通の、気さくなおじさんだった。
テレビ画面で、懐かしくお目見え。
ほんと、凄い役者さんです。
今回の驚きは、お母さん。
いいなぁ、いいWさん。息子を見る目、旦那さんを見る目、息子を心配し、信じる目、旦那さんを見る目、信じる目。息子を想う気持ちが痛く解る。
そして、なんて可愛いお母さん。
昔から、可愛らしくて特長ある声でらしたけど、歳を重ねて良い味が。
でも、今時は、今のテレビ映像は怖いですね。
ほんと、小じわ1つもよく見えて。微妙な目線や皮膚の動き、丸見え。一秒たりとも、瞬き1つも隙を許さない。
怖い世界だ。
あそこに居なくて良かった。居られるはずもないのですが。
役者、俳優にとってはより厳しい世界になったけど、映像のキレイさが妙。
藍染め、青、色んな青が、大好きな藍染めの、色んな青が楽しい。
主人公の衣装、擦れた青もたまらない。
そして、自然の緑のコントラスト。
たまらなく、キレイで好き。
もはや意地悪な目はどこにもなくて、人心地。