雪景色の庭が、より寂しげです。
我が家の愛車のワゴンRが最後の日を知らされず、きちんとお別れしないままに、いなくなりました。

長女が生まれてすぐにローンを組んで購入したマニュアルのワゴンR。
だから、子ども達が物心ついた時には我が家の車だった、ずっと一緒だった。ベビシートとチャイルドシートが同時に着いてた時期もあったな。
お出かけにも、旅行にも、学校への送り迎え、買い物、体調が悪い時に急いで病院へ連れて行くのも、それこそ自転車や歩きではキツイ雪の日の送り迎えなんかも頑張ってくれたアイツです。
居場所だった所のど真ん中に、無言の主張か、旦那が自分のチャリを置いた。
2022年の雪の日の写真

この地方では珍しいほど降って積もった。

寒々しい愛車の中から、雪の様子を撮った

不登校児長男の運動不足解消、木刀での素振りを見守っております。
その頃、好きだった、彼にとってはちょっと自信のあるもの『アスレチック』
初めて行く、場所もよく分からない隣の市の無料アスレチックに迷いながらも連れて行けたのもアイツのおかげ。
スクールカウンセラーさんに言われた「この年頃の男の子に必要なのは父親の存在、もちろんお父さんがいない子だっているので、お兄ちゃんでも、おじいちゃんでも、先生でも身近にいる大人の男性、いなければ、お母さんがお父さんの代わりに興味あることや場所に連れ出してあげてください」
だから、鬱で部屋に籠る旦那の代わりに母が父親役も母親も頑張ればいいって思った。
方向音痴で運転にもあまり自信がない母がナビも着いてないアイツでスマホのグーグルマップ頼りに冒険に出掛けたね。
母の田舎、実家にも高速を運転して小さい時から何度も出掛けて行った。そして、人手に渡るので実家にお別れに行った時もアイツと一緒、長男の黄昏時もそっと後ろで見守ってたな。

今は女子大生、二十歳になった長女は、第一志望の高校に落ち、遠い第2志望の高校へ三年間通った。家から駅までは自転車、駅から電車に揺られ、また駅から学校まで徒歩20分の道のり。夏の暑い日、頑張れーと長女を送り出してるようなアイツ。

その高校へ、母はアイツと片道1時間かけて行事に参加したっけ。
そんな戦友は、いつどこで何に旦那はぶつけてきたのか、知らないキズだらけ、ボコボコで、走行音もヤバい音がするようになった。
そんなアイツを昨年末頃、マニュアルで運転免許証を取得した長女の運転で家の近くを長男と3人でハラハラドキドキ、冷や汗タラタラのドライブしたっけ。
今月中の車検切れ後は、もう居なくなることは子ども達も知っていたけど、車屋に持って行く日付は予定が分かれば当然知らせてくれると思っていた。さすがに。だって、母の古い自転車を処分して新しい自転車を買いに行った時も自転車屋で長く頑張ってきた自転車とのサヨナラに大泣き、6人乗るために旅行の数日を共にしたレンタカーを返却する時も寂しくて涙するような子ども達ですよ。
私どころか、子ども達にも旦那は一言も知らせずじまいだった。
数日前の夕方、長男が「おとーが帰って来てるのに、車がない!アイツとうとう逝かれちゃったか?ちゃんとお別れしてないのに」と庭を見て言った。
玄関に、アイツに載っていた古いレジャーシートなんかが置いてあったのを知っている私は「もう車検は通さないから、売るために査定に出してるんだと思うよ、さすがに最後の日は教えてくれるでしょ」と伝え、そばにいた長女も「さすがにね」と。
でも一向に車は戻って来ず、旦那のチャリが置かれるようになり、旦那にLINEした。
「まさかとは思うけど子ども達に一報もなく車屋に持って行っちゃった?」
既読にはなるけど返事はない。
翌日になっても。
だから長男にLINEしてもらった。
長男「廃車になっちゃったってー」
いや、廃車?いやそういう事じゃない、何故知らせないのか、最後になるかもしれん日付を、家族LINEだってあるから、一言「○日に車屋さんに持って行っちゃうから」と入れるだけ、伝えてやらなきゃって考えも浮かばなかったということか。
長男に聞いたら、知らせずにごめんね、とかの詫びの言葉も一言もないそうだ。
ひどすぎないか。
旦那の『X』(旧ツイッター)を見に行った。
アイツの運転席の写真と共に『車検の機会にお別れしてきた。いっぱいいっぱいありがとう』とかポストしていた。
自分だけなんだ。
父は一人で生きているようだ。
子ども達も今回はかなりの不信感だろう。
自分たちの事を考えてくれることもなくなったのかと。
私もさすがに今回はかばえない。
ちゃんとお別れできずにいなくなった戦友
私達3人は心のどこか、ぽっかり小さな穴が
空いたまま、けれどそれを会話に出すのもためらっているような妙な空気感で今は生活している。
アイツがいなくなって広くなった庭で静かに雪遊びをする高1の長男。

去年免許を返上した爺ちゃんのワゴンRはオートマ、これからはこの一台だけが我が家の車となる。
雪遊び兼、後でこの車を使う予定だから雪を落としてもらっている。
一台だけなので主に旦那が使うことになるだろうからコイツが私達3人の戦友になっていくのは難しいかな。
もう会うこともかなわなくなった戦友に、この場で最大の感謝を、私から。
君と共に、私は母となりました。一緒に頑張ったよね、ありがとう。お疲れ様でした。