楽しい、嬉しい、面白い、充実感、感動……そんな場面、瞬間を味わうことは各々の人生で何度かあるだろう。
子育て中もたくさんある。
辛くても、子供の笑顔で癒されたり。
無事に生まれでてきてくれた感動、子供が楽しそうにしている充実感。
ここでは、そうではなく、
「あっ、……これが幸せってことかも」と何気無い日常の一場面で、心地よい、平和な、安心感に気づいた瞬間はないでしょうか?
言葉にするのはとても難しいけど…
鬼滅の刃の伊之助くんの「ほわほわ」が近いかな。
私にはありました。
その心地よさとシチュエーションだけは鮮明に覚えています。
まだ、母親が元気で、生きていた頃なのでかなり前のこと。だから、私は独身で、演劇人、25年ぐらい前のことかなぁ。
弟も妹もいて、確か弟の嫁さんもいたような……と言うことは弟の子供、つまり甥っ子姪っ子もいたのかも。そのへんはうろ覚えです。
実家の田舎道を、母親、私、妹、弟達で家に向かってのんびり歩いています。
私と妹はすでに田舎を出ていたし、何かの機会に里帰りした時のようです。寒い印象がないので、今のこの時期、秋祭りの時期に帰って、皆で氏神さんの神社へ行き、そこからみんなで歩いて帰るところだったのかも。
お天気の良い、暑くもなく、寒くもなく、舗装もされたいない砂利道や草の生えた畦道、でこぼこ道…
のんびり歩いて15分ほどの距離を家族の思い出話をしながら……弟の子供の頃の様子や、失敗をお嫁さんに暴露したり、妹と弟は双子なので、双子ならではの出来事やケンカのこと、あの時はああだった、こうだった。お姉ちゃん(私)のこと、こんな風に思ってたとか、あんなこと言われた!とか。そう言えばあんな事もあったよね、などなど、みんなで笑い合いながら……母親も嬉しそうにニコニコ、時々、その時の思いやツッコミを入れたり…
あれ?すごく気持ちがいい
心が軽い
あったかい
優しい
ゆっくりと流れる時間
これが『幸せ』ってことなのかも
って初めて思った。
本当に、日常のどこにでもありそうな光景、あって当然のようで、でも大人になったらなかなかやってこない場面。
気を使う相手もなく、時間に追われることもなく、青空の、自然の中の、田舎の、澄んだ空気
良いことも悪いことも、一緒に乗り越え過ごした共有の時間を思い返し、しゃべり、笑い。
あれから、あんな心持ちには、なかなかなったことはない。
きっと、いろんな良い条件が重なり合ったこと、氏神様からのプレゼントだったのかも。
穏やかでうららかな幸せの心地
子供達にも、そんな瞬間がいつかやって来ることを願ってやまない。
私の田舎にて